温度

ファーレンハイト度(華氏温度:°F)またはランキン度(蘭氏温度:°R)を用いる。アメリカを旅行すると、朝の天気予報で地図の上に50とか60とか、さらにひどいと90とか、おおよそ摂氏温度とは思えないような数字が並ぶが、もちろんすべて華氏温度で表示されているからである。アメリカ以外で華氏温度を日常的に用いる場所は、ジャマイカやイギリスの一部のみであり、世界的に見れば例外的な部類に入るが、石油開発業界では世の東西を問わずアメリカ本国に倣って華氏を使うことも多い。日本でも米軍横田基地や横須賀基地に駐留している在日米軍兵士へのラジオ放送(AFN)では、日本の天気が華氏温度で紹介されている。摂氏温度は、水の融点と沸点を基準に決められており、それぞれ0°C,100°Cと決められているが、華氏温度では、融点が32°F,融点が212°Fとされている。すなわち、水の氷点と沸点の間は180度に区切られており、摂氏温度に慣れているとすこぶる使いにくい。以上を踏まえ、華氏温度(°F)と摂氏温度(°C)の変換式をまとめると、以下のようになる。

(2)   \begin{equation*} ^{\circ}F=\frac{9}{5}{^{\circ}C}+32 \end{equation*}

(3)   \begin{equation*} ^{\circ}C=\frac{5}{9}(^{\circ}F-32) \end{equation*}

また、摂氏温度に対するケルビン(絶対温度:K)に相当するものが、華氏温度に対するランキン度である。絶対零度を0°Rとしている点でケルビンと同じであるが、ケルビンが1度の間隔を摂氏温度と同じにしているのに対して、ランキン度は1度の間隔を華氏温度と同じにしている。ランキン度に対する変換公式としては以下のように表現される。

(4)   \begin{equation*} ^{\circ}R=^{\circ}F+459.67 \end{equation*}

(5)   \begin{equation*} ^{\circ}R=\frac{9}{5}K \end{equation*}

(5)   \begin{equation*} ^{\circ}R=\frac{9}{5}{^{\circ}C}+459.67+32 \end{equation*}

ヤード・ポンド法で記述されている系では、熱力学であっても温度はケルビンではなくランキン度で表されるので注意されたい。