Zzyzxに行った話
私の人生で訪れた中で最も変な町、そうそれがジージックスである。
Christopher Mann McKay [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY 2.5], via Wikimedia Commons
何が変かと言えば、名前が群を抜いて変。Zzyzxと書く。日本人はジージックス、現地人はザイジクスなどと読むらしいが、Google Mapsはジー・ジー・ワイ・ジー・エックスと「粒読み」していたくらい変である。
これはよくあるスペイン語とかネイティブアメリカン由来の地名ではなくて、狙って作られた地名らしい。なんでも辞書の一番最後に載るように適当につけられた地名とのこと。
場所は州間高速15号線をロサンゼルスからラスベガスに向かう途中にある。以前妻とラスベガスまでドライブしたときに、変な地名の場所があるなと気づいたのだが、それ以来その地名ジージックスが気になって仕方がなく、ついに今回かの地に行くためだけにロングドライブを決行した。
場所はカリフォルニア州のはずれにある砂漠にぽつんと存在するオアシスのような場所で、15号線のZzyzx Roadの出口から5マイルほど砂漠を走る。
聞くところによるとジージックスには砂漠研究所以外何もないとのことだったので、まともな道があるのか不安だったが、何気にきれいに舗装された道路がしばらく続く。途中未舗装でかなり凸凹している箇所があり、岩山を巻いて進む先の見えない展開になったが無事に砂漠研究所に到着する。
なんでもジージックスはカーティス・スプリンガーなる人物が開拓して、保養所として開発された場所らしい。現在はカリフォルニア州立大学によって管理されているとのこと。
人が住んでいるのだろうか。遠くに人影が見えたが、直接言葉を交わすことはなかった。
砂漠の真ん中のオアシスのような景色が広がる。背景はモハベ砂漠の荒涼とした大地だ。
ジージックスは町と言うよりも、研修所や施設という感じだ。通りの名前が陳腐でそこはかとなくうすら寒さを感じる。
私が小説家なら、砂漠って静かなんだよ、と登場人物に言わせたいくらい静かであった。たまに風の音とジェット旅客機が飛ぶ音が聞こえる。
おわり。