もしも日独が勝っていたら…高い城の男の話
11月20日から配信が開始された米アマゾン製作のネットドラマ「高い城の男(The Man in the High Castle)」を見始める。
いわゆる歴史改変SFモノと言われるジャンルの作品で、第二次世界大戦においてアメリカを中心とした連合国ではなく、三国同盟の枢軸国が勝利した「もしも」の世界を描いている。舞台は1962年のアメリカ大陸である。
作中でアメリカは、ロッキー山脈を挟んで西側を日本の傀儡である大洋州(Japanese Pacific States)に、東側を大ドイツ帝国(Greater Germanic Reich)の傀儡である新アメリカ合衆国に分割統治されてしまっている。予告編では日本化されつつあるサンフランシスコが映る。看板の作りこみが適当だったり(店の看板にお茶屋、寿司屋、パン屋などとだけ書かれている)、なんとなく中国と混ざっていたりするのはご愛敬か。
内容としては、太陽の黙示録(かわぐちかいじ)とアドルフに告ぐ(手塚治虫)を混ぜたような話である。特にアドルフに告ぐについては、本作と物語の始まり方がとても似ている。
アドルフに告ぐ | 高い城の男 | |
主人公 | 日本人男性 | アメリカ人女性 |
主人公を狙う人物 | ナチス親衛隊 | ナチス親衛隊 |
ナチスが探しているもの | ヒトラーの出生に関する文書 | 連合国が大戦に勝利したという内容のニュースフィルム |
もともとその資料を持っていた人 | 弟(文書を託して死亡) | 妹(フィルムを託して死亡) |
まだ最初の2話しか見ていないので、このホリデーシーズンにゆっくり鑑賞しようと思う。なお、第一話はアマゾンのサイトで無料で視聴可能だ。
先日、日本のニュースで、ニューヨークの地下鉄に旭日旗に似たデザインのラッピング広告が現れてちょっとした騒動になったことを見たが、それはこのドラマの宣伝だったとのことである。問題となった旭日旗に似たデザインと言うのは、作品の中で登場する日本の傀儡政権「アメリカ太平洋岸連邦(Pacific States of America)」の国旗のようだ。