PTフラッシュ計算におけるSSI法の流れ

SSI法によるPTフラッシュ計算の流れをフローチャートとして示すと次のようになる。

図1 PTフラッシュ計算のフローチャート

最初にpTz_iをそれぞれ初期条件として与え、経験式によっておおよその平衡定数を予測する(1)。予測された平衡定数が正しいと仮定するとx_iy_i等が計算でき、状態方程式よりフュガシティが求まるので平衡条件を満たしているかどうかチェックする(2)~(6)。もしフュガシティが成分ごとにすべての相で十分な精度で一致していれば平衡状態であることが熱力学的に保障されていると見なして相平衡計算を終了する。フュガシティの一致が得られない場合は最初に仮定した平衡定数が正しくないことを意味するので、平衡定数を更新してフュガシティを再度計算する(7)。フュガシティが十分な精度で一致するまでこのループを繰り返すことで反復的に平衡条件を導くことができる。次からはこのループを回すための計算処理について詳しく見てゆくことにする。ここでの処理はコンピュータ上で行うことを前提としているのでエクセルなどの表計算ソフトや身近なプログラミング言語を用いて実際にフラッシュ計算を実行するプログラムを作ってみるとよいだろう。