排出過程drainage processと異なり、浸潤過程imbibition processの相対浸透率はトラップされる非濡れ相を考慮しなければならない。例えば、次の図の赤線は排出過程(Swが1から0に向けて進む)の相対浸透率曲線を示しているが、浸潤過程になると青線で示したようにSwは1まで戻ることなく途中で終わる。
浸潤過程の毛細管圧力をPcI、排出過程の毛細管圧力をPcDと書くと、浸潤過程の相対浸透率は次のように計算することができる。
ただし、Snwf*は、
なる式で与えられ、流れに寄与している(つまりトラップされていない)非濡れ相の飽和率を表している。fはflowingの意味である。
すなわち、トラップされている非濡れ相飽和率Snwtと流れに寄与している非濡れ相飽和率Snwfを合計したものが、非濡れ相飽和率Snwということになる。
したがってトラップが発生する浸潤過程では、非濡れ相の相対浸透率を求めるときに実際に流れている分だけしか考慮してはならず、トラップされた分を除いて有効浸透率を計算するく必要がある。つまり、積分区間は1-Snwfから1までとなり、この積分で求められるのは下図の黄色い部分の面積であることが分かる。絶対浸透率は変化しないので、変わらず0から1までの積分によって求められる。