キャピラリー数capillary number(または毛管値とも)は孔隙二重管モデルを議論する際に登場した数値であるが、ここできちんとその意味を整理しておこうと思う。まず、定義から復習してみると、キャピラリー数は、
と表されるのであった。μは粘性、Lは管の長さ、qは流量、Rは管の半径、σは界面張力、θは流体の接触角である。
複雑な形をしている式だが、
と書き直してみると、
となっていることから分かるとおり、粘性力viscous forceと毛細管力capillary forceの比を無次元数として表しているに過ぎない。なお、分子が圧力損失を表すということは、ダルシーの式とカルマン・コゼニー方程式より導かれる。
先立つ議論ではトラップメカニズムをスナップオフモデルと孔隙二重管モデルで表現してきたが、非濡れ相のトラップという現象は粘性力と毛細管力のせめぎ合いであることが分かった。そのような状況でキャピラリー数を見れば、どちらが支配的なのか判断することができ便利である。つまり、
という訳である。