最初に仮定した平衡定数から一発でフュガシティの一致が得られることはまずない。なぜなら最初に仮定した平衡定数の精度が低いからである。したがって、フュガシティの一致が得られずに計算が収束しなかった場合は、平衡定数の予測というステップに戻ることになる。
収束が得られなかったときに重要なのは次の反復(イタレーションと言う)で用いる平衡定数であるが、(+1)回目の計算では()回目の計算で求められたフュガシティを用いて以下のように更新された平衡定数を用いるとよい。
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このような反復計算により熱力学的に妥当な相平衡状態を導くことができる。SSI法を用いたPTフラッシュ計算の練習はエクセル等の表計算ソフトを使っても簡単にできるので、もし実際の流れがイメージできなければこの章の内容をもとに自分で試してみるとよいだろう。