zファクターの計算

フュガシティを計算するにはEOSパラメータのほかに、各相のzファクターが分かっていなければならない。状態方程式は通常圧力に明示的な形で得られていることが多いが、zファクターに明示的な形にも簡単に変形することができる。例えば、ペン・ロビンソン状態方程式ではすでに示したとおり、

(86)   \begin{equation*} z^2-(1-B)z^2+(A-3B^2-2B)z-(AB-B^2-B^3)=0 \end{equation*}

なる形で与えられている。この式のABは計算方法を示したばかりで値を計算できるので、実質的にこの式はzについての三次方程式である。三次方程式はよく知られているさまざまな解き方が存在し、非常に多くの参考資料が簡単に見つかるためここでは掲載しないが、一般的に使われるのはカルダノの公式と呼ばれる解法である。 求められた解のうち最も小さいものが液相のzファクターであり、最も大きいものが気相のzファクターとなる。

(87)   \begin{equation*} z^L = \min{(z)} \end{equation*}

(88)   \begin{equation*} z^V = \max{(z)} \end{equation*}