同次関数とオイラーの定理

ある関数が次のような関係を満たすことがある。

(1)   \begin{equation*} \begin{split} f(\alpha{x_1}, \alpha{x_2}, \cdots, \alpha{x_p}) = \alpha^n f(x_1, x_2, \cdots, x_p) \end{split} \end{equation*}

このようなときに、関数fn次の同次関数homogeneous function of order nであると言う。簡単な例を示すと次のような関数は5次の同次関数である。

(2)   \begin{equation*} \begin{split} f(x, y) = x^2 y^3 \end{split} \end{equation*}

これは定数\alphaを導入して次のように式を展開するとすぐに理解することができると思う。

(3)   \begin{equation*} \begin{split} f(\alpha{x}, \alpha{y}) = \alpha^2  x^2 \cdot \alpha^3  y^3 \end{split} \end{equation*}

ところで、関数fn次の同次関数ならば次のような関係式が成り立つことが分かっている。

(4)   \begin{equation*} \begin{split} x_1 \frac{\partial{f}}{\partial{x_1}}+x_2 \frac{\partial{f}}{\partial{x_2}}+\cdots+x_p \frac{\partial{f}}{\partial{x_p}} =nf(x_1, x_2, \cdots, x_p) \end{split} \end{equation*}

この関係を(同次関数についての)オイラーの定理Euler’s homogeneous function theoremと言う。オイラーの定理は同次性homogeneityを保証する必要十分条件となっている。つまり、(1)式が成り立っていれば(4)式も成り立つのであり、その逆もまた然りという訳である。