多変数関数があるとき、どのように微分するかという議論はすでに本文の中で紹介した。例えば二変数からなる関数であれば、その微分は全微分として次のように与えられるのであった。
(1)
さて、
(2)
という形で与えられる方程式があるとき、この式がの全微分であるための必要十分条件は
(3)
である。よく使うのでここでは必要条件の証明を示すことにする。
まず、(2)式がの全微分であると仮定すると、、、の間に次に示す関係が成り立っていなければならない。
(4)
(5)
次に、この(4)式をについて、(5)式をについてそれぞれ偏微分すると次のようになる。
(6)
(7)
これらの式の辺々を引くと、
(8)
を導くことができる。
この議論は簡単に多変数関数に拡張することができ、
(9)
なる変数の式を考えると、上式がの全微分であるための必要十分条件は
(10)
となる。