油や天然ガスといった、いわゆる貯留層流体を表現するには、まず相phaseという概念が必要である。例えばガスと油では地下の岩の中での流れやすさが大きく異なるので、相というまとまりで貯留層流体を考える必要があるのだ。通常液体である油よりもガスの方が、粘性が低くて断然流れやすい。
相と聞けば、ほとんどの人は物質の三態である固体(固相)・液体(液相)・気体(気相)を想像するだろう。そしてその違いは感覚的には明確にイメージできるはずだ。しかし物理学の世界では相というものをどのように捉えているのだろうか? そもそも固体・液体・気体を明確に区別するものは何なのか? 例えば多少弾性のある固体と非常に粘性の高い液体はいかに区別するのか? まず改めて相という言葉の定義から始めたいと思う。